金沢でフランス語、英語、美術を学び、ナンシーへの留学を目論む、はぐれ医学生のブログ。至高にして究極の人形を生みだすために奮闘中。 急げ!人生には学ぶべきことが多すぎる。
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モナリザの暗号?
 次の作品は母をモデルに母子像を作るつもりだ。母が是非に是非にと言うもんだから。家族をモデルにするのは誰かを雇うのに比べて随分とお得なので断る言が無い。金がかからない、気兼ねしない、触ってもよいし、孝行にもなる!

 母子像はキリスト教圏でなくとも人類普遍のテーマ。構図を考えるために偉人たちの作品は大いに参考になる、というより今回は欠くべからざると言うべきだ。母の要望に従うと、いないはずの赤ちゃんまで作らなくてはならない……。無茶な。てことで美術研究科図書室に初潜入を果たした。なぜかチョッパーのぬいぐるみがひっそりと佇んでいる!この部屋で密室殺人事件が発生したとき、すかさずクリティカルな役割を果たそうと機会を窺っているようだった。

 E藤先生の話によると昨今の小学校の美術鑑賞教育では、子供たちに自由な発想をさせよう、個性を潰しちゃいかん、ってことで一般的な学説はあえて教えないようにしてるらしい。でも高学年になってもそのままでいいのか?通説を一旦知ってしまうと縛りのない感想は再生不可能なのか?どうだろう。知識に飲み込まれる程度のちっぽけな個性は、保護する価値なんてないと思うがね。

 図録を見ながらモナリザの鑑賞すべき点を教えてもらった。
 答え方は人それぞれだろう。

「ルーブルで実際に目にしたときどう感じた?」
「この人は男?女?」
「年齢は?」
「身長・体重はどのぐらい?」
「なんで眉毛が無いの?」
「どうして黒い服を着てるの?」
「座ってるの?立ってるの?」
「この人は笑ってるの?怒ってるの?」
「顔の上半分、あるいは下半分、左半分、右半分を覆っても表情は変わらない?」
「背景に何が見える?」
「気候は?」
「天気は?」
「左の背景と右の背景は高さ違わない?」
「左の湖と右の湖はどっちが水量多い?」
「なんで人物と背景と別個に描かなかったの?」

 こういうポイントを突くだけでは、小学生の鑑賞と変わらないわな。
 作者の意図を酌み、歴史的価値を認めるためには、学者の見識に耳を傾けるべきだ。

 E藤先生曰く、を簡潔にまとめると
「レオナルドは無神論者の科学者だった。世界を構成する4大元素火・水・土・空気の中でも特にに注目していた。水は火を消すことができるし、土を削り取れるし、蒸発すれば空気に舞うこともできるでしょ?背景は水の状態の遷移によって創世から終末までを表している。すなわち右奥は深く水を湛えた母なる海を、左奥は大地の誕生とその上に流れる川を、右手前の橋は文明の夜明けを、左手前は水が枯れ果てた滅びの世界を描いているんだ。人物像は中性的な顔立ちの喪服を纏った妊婦。表情は一見微笑んでいるようだが、どうとでもとれる複雑なものだ。つまり背景で自然の、人物で人間の一生を描き、コズミックな不可分のつながりを示しているのである!」

「マジですか!500年前の人間がそんなことを考えていたなんてビックリだ!」
 久々に感動させられた。

 随分流行おくれだけど、「ダヴィンチ・コード」を観た。うーむ。途端にレオナルドのメッセージが胡散臭くなってきたぞ。いや、見方を変えれば革命的?これがロマン?本が世界中でバカスカ売れたらしいが、清涼院流水を翻訳したら一億部いけるんじゃない?でも無理か。あの翻訳は。

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